PTAの書評

書評 ある日うっかりPTA 金髪、ヒゲ、サングラスのフリーライター杉江松恋

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PTAというのは一見大きな組織の思われがちですが、現実は違いますね。
PTA連合会や日本PTA全国協議会といった上部組織はあっても、それぞれの学校独自でPTA活動をしています。
そこで、フリーライターの杉江松恋氏がうっかりPTA会長を引き受けてしまい2008年~2011年まで勤めた経験を本にしています。
私がある日うっかりPTAを読んでみて書評しますね。

目次

書評 ある日うっかりPTA 杉江松恋


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あるひうっかりPTAは10章に分かれています。

  1. PTAなんて別世界の出来事かと思ってた
  2. 俺の金髪に触るなよ
  3. 教育者なんてガラじゃない
  4. みんなでチームになりましょう
  5. がんばらない、をがんばろう
  6. うちのPTAだけが変じゃないですか?
  7. みなさんの力を借りたいんです
  8. 未来の行事より今が大事さ
  9. PTA、辞めちゃだめなんですか?
  10. PTAはちゃんと卒業すべきものだ

著者の杉江松恋はどんな人物か?

表紙を見てわかるとおり杉江さんはなかなかインパクトのある風貌をしていますね(笑)
PTA会長になる前は金髪にヒゲにサングラスという風貌をしていました。
しかし、金髪というのは子供の教育上問題があるとして、金髪を切って坊主頭のようになります。
この金髪について揉めたことも詳しく書かれています。

 

PTA会長として推薦されたきっかけとして、学校で読み聞かせボランティアには結構参加したことと、PTA総会の議長を引き受けたことがあって、その目立つ風貌から目についたようですね。
そして、小学校の何十周年式典を持ち前の好奇心で見に行ったのが運の尽きとなります。
来賓はスーツや着物といったフォーマルな服装の中、杉江さんは革ジャンにジーンズという場違いな格好で、しかも、遅れて体育館に入ったことが決定的となってしまいます。

 

そして、ある日突然選考委員会から電話がかかってきます。
この役員選出から杉江さんがPTA会長を受けるまでがリアルな描写で書かれています。
例えば、選考委員からPTA役員の候補になった場合は秘密裏に交渉するという習慣などです。
学校ごとによってPTA活動の内容は違えど、役員選出についてはどこの学校でも同じような風になっていると思います。

 

そして、杉江PTA役員を実際にやってみて自分が思っていたのと違うと言っています。
もともと学童保育の保護者会と同じようなものと考えたいたら全然違うと言っています。

 

みんなでチームになってがんばらないことを、がんばろう

杉江さんはPTA会長を受けるわけですが、就任早々、入学式や入学生の父母あての資料の用意、始業式、委員の選出、先生方の歓送迎会、PTA総会の資料作り、PTA会費の徴収などPTA会長就任の4月からいきなり忙しい様子を書いています。

 

杉江さんは子供の頃から協調性がないと言われ、会社員生活から独立してフリーライターとなります。
そんな経緯からPTA会長となって、7人の本部役員は1年間チームプレイを心がけるようになります。

 

PTA会長になって4月はほぼ毎日学校に行くハメになりました。
杉江さんは第一回運営委員会で裏スローガンとして

「がんばらない、をがんばる」
という風にします。

「人間がんばっても、限界があるから、努力してもダメそうなこは人間関係がギスギスさせてまではしない」
という、結論からそう決めました。

杉江さんが行ったPTA改革

杉江さんはPTA改革で手がけたことが運営だよりの改善となります。
というのも、最初に運営委員会を一般会員に見学させてはどうかと提案したところ傍聴者はゼロでした。
これは、運営だよりが子供から保護者に渡っていないことだと気がついて、運営だよりのレイアウトを変更します。
そうして、学校から子供に配布した運営だよりが保護者に渡るようになりました。

 

続いて学校のPTA会室にエアコンを取り付けて、PTA運営だよりを掲示、入出のノートを設置しました。
そして運営委員会とPTA会室を交流の場にするこを目指しました。

杉江氏区長や教育長らにクレームを入れる

PTAの改革に合わせて杉江氏はPTA会長の立場を上手く活用した事例が書かれています。
それは区のウォーキングイベントがゴールデンウィークに開催した際のことです。

日中のお昼ごろに区の偉い人の挨拶があって、炎天下の下に子供たちを立たせて教育長や区長が長々と挨拶をしてダラダラと表彰が続いたことに怒り公文書で主催者にクレームの文章を発信します。
その抗議文の全文が書かれていますが、さすがフリーライターということでわかりやすく皮肉を込めてクレームを入れています。

前会長の作った仕組みをやめる

杉江さんの子供の小学校ではPTA会費が毎年黒字で予算が毎年余っていました。
その一つの財源が前PTA会長が作ったシステムでした。
このシステムは他の小学校ではやっていないことで、収入が増えることですが、担当の委員の負担がものすごく高いものでした。

 

杉江さんは前会長よりこれだけは死守するように釘を刺されますが、収入に比べて負担が大きいことが気になります。
そこで小学校PTA連合会でこの現状を話をすると「うちの学校では外部に委託している」とか「うちではやってない」と言われます。
そこで、杉江さんはすぐに管理者に会って事情を話して投票の結果、その業務を即時委託することになりました。

おやじの会を否定する

杉江さんがPTA会長をすることになって、子どもたちのためにイベントを開催することになります。
そこで、学童保育の保護者会のメンバーに力になってもらうことになります。
学校の校庭を使ってイベントを開くことを提案したのですが、障害が多くありました。
しかし、あらゆる障害を克服してイベントを開催することになりました。

 

イベントは学童保育の保護者会のメンバが中心となって運営することになります。
その時におやじの会の話をすることになりますが、杉江さんはこれに否定的なことを発言します。

杉江さんが3年間のPTA会長をしたその後

杉江さんは2008年から2011年まで小学校のPTA会長をしていました。
任期が終わる3月に東日本大震災が起こったわけですが、福島原発事故による放射性物質についてのデマや余震を警戒しながら卒業式を迎えることになります。
その後、子供が中学生になって中学校のPTAでクラスの役員をやったものの1年間で辞めてしまいます。
その理由が中学校のPTAが性に合わないと言っています。

 

これは小学校でPTA会長をしていた時は校長先生の方針が合っていたことと、小学生のPTA役員をやっていた時代に中学校の入学式で校長の挨拶の時に「うちの学校にはいじめがありません」と断言したことから一発で嫌いになったからだと言っています(笑)
その後子供が高校生になってもPTA活動には参加せず、妻が変わりにクラス役員を引き受けたと触れています。

書評 ある日うっかりPTA 杉江松恋のまとめ

金髪、ヒゲ、サングラスのフリーライターの杉江松恋さんのある日うっかりPTAの書評をしてみました。
書評では触れていないのですが、PTA会員同士のトラブルについても触れています。
これは杉江さんが会長3期目で役員が主なメンバーが入れ替えになったため、意思統一することを怠ったことで起こっていたと書いてあります。

 

この本をどういう人が読むべきかと言うと、PTA活動をしている全会員向けとなります。
フリーライターということもあって、とても読みやすくてユーモアを交えて楽しく読むことができました。

 

特にPTA改革について多くページを割かれているので、思うようにPTA改革が上手く行っていない方のヒントになると思われます。


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