PTA活動というのは大抵の学校では父母の負担が大きいですね。
それは長い年月をかけて仕事が肥大化をしているために本当に子どものための活動かわからない事をしているからです。
PTA役員選定から運営までの成功事例を紹介した大塚玲子さんのPTAをラクにたのしくする本について書評をしますね。
目次
書評 PTAをラクにたのしくする本
PTAをけっこうラクにたのしくする本 大塚玲子著 Amazon.co.jp
PTAをラクにたのしくする本は6つの章に分かれています。
- PTAはだれのため?
- けっこう楽しいPTAを作るには
- どうしてる?PTAのおサイフ管理
- 先生はPTAをどう考えている?
- 個々の活動をラクにするくふう
- 任意加入へのスイッチ
著者の大塚玲子はどんな人物か?
著者の大塚さんは1971年生まれのライターと編集者でもあります。
PTAの本の他に結婚・離婚、子ども、家族をテーマにした仕事を手がけているようです。
インターネットでもYahoo!ニュースでも記事を配信していますね。
その他の著書としては
PTAがやっぱりコワい人のための本
オトナ婚です、わたしたち
などがあります。
PTAはだれのため?
この本の第一章は今のPTAがどんな問題を抱えているかの現状について書かれています。
このサイトでもPTAについての投稿でも数多くの投稿のある役員選出や熱心に活動している人と非協力的な人との温度差があります。
そして、前例主義の去年もやったんだから今年もやらないといけないという思い込みです。
子どもが小学生になるとほぼ必ずと言っていいほど感じるPTAの問題点について語っています。
そして、東京都大田区立嶺町小学校PTA会長の山本浩賢さんのPTA改革事例を掲載しています。
山本さんがPTA会長の時にやったことが
- PTA会議を3割削減
- 平日昼間にやっていたPTA役員と先生の歓送迎会の廃止
- クラス委員の人数削減
- PTA会計の見直しとPTA会費の値下げ
など、無駄な仕事とPTA会費を減らすことを活動しています。
当然ながらこれほどの改革をするには抵抗がありました。
そこで山本さんが保護者にアンケートを提案したもののあっさり却下されてしまいます。
しかし、粘り強く提案したところアンケートが実現しました。
そのアンケートの回答内容を見て役員たちも意識が変わり、改革に積極的になったそうです。
そして、PTAの各委員についても言及されていて、委員会をやめてボランティア制に移行した事例を紹介しています。
ここでは岡山市立西小PTA会長の彌重幹昌さんが行った事例と東京都江戸川区立松江小学校の元PTA会長の八武崎秀紀さんの事例が紹介されています。
その他第一章では「PTA」じゃなくてもいいんじゃないというテーマで、PTAのやり方を変える方法について詳しく書かれています。
けっこうラクで楽しいPTAを作るには
第二章ではPTAをイヤなものと捉えずにPTA活動をするメリットについて書かれています。
わりとここらへんでは精神論に近い内容となっています。
そして、ページが進むと連絡の仕方、情報共有の仕方についての説明となります。
これだけインターネットや携帯電話が普及したため、やはり、メールやLINE、ブログを使った方法について説明がされています。
情報共有にはDropboxを使って文書やファイルを共有する方法なんかも説明されています。
その後会議の時間を短縮する方法、PTAだよりで情報を発信する方法など、PTAの負担を減らす方法をメインに紹介されています。
どうしてる?PTAのおサイフ管理
第三章はPTAの予算やお金に関することが書かれています。
取材をした際にPTA予算が毎年余って繰り越されている。という声をよく聞いたようです。
そこで、PTA会費を値下げをする事を提案しています。
または一律に会費を集めるのではなく、イベントや用具を揃える際にその都度会費を集めると言う方法もあります。
PTA予算というのは一律に集めているならば予算ありきの活動方針になりがちになると指摘しています。
PTA予算の集め方や使いみちでは具体的なことが書かれています。
PTA会費の徴収の仕方を自動引落にするか現金で徴収するかのメリットデメリットや助成金を利用することも提案されています。
そして、予算の使い方は備品の購入の仕方などかなり具体的に説明がされています。
何に予算を使うかと会計報告の仕方についても大いに参考になるはずです。
また、PTA予算を人を雇うために使うということも容認しています。
ボランティア活動で不公平感が出たり、お金がもらえるならやってもいいという保護者も出てきます。
例えば夏休みのプールの監視員なんかは拘束時間が長くてボランティアでは手が余るものだと思います。
それをPTAの予算から人件費を捻出するわけです。
そして、人を雇う自体は問題ないですが違法になるケースも紹介されています。
先生はPTAをどう考えている?
PTAとは親と先生の団体となるわけですが、学校の先生がPTAについてどのように思っているかを書かれています。
教師というのは多忙なため、PTA活動まで思う存分協力できていない学校が多いと思われます。
ここでは保護者側が先生方の負担を減らす事を心がけることで先生方も協力的になると言います。
そして、大塚さんは教師のPTAの関わり方は無理のないようにするべきという持論を出してきます。
そして、近年問題になっているモンスターペアレンツについてPTAがどう関わるかについても書かれています。
ここ最近は話の内容によっては個人情報保護法に触れることもあって対応が難しくなっていますね。
個々の活動をラクにするくふう
第5章では総会や安全に関する工夫、イベント、書記、各委員会など個々のPTA活動の仕方について書かれています。
この章ではPTAの細かいことの仕事の悩みを解決するためのヒントが満載です。
周年記念行事や卒対、ベルマーク活動などの細々したことについても書かれています。
その一例を挙げると、安全に対する工夫で登下校の見守りについて書かれています。
見守りについては一度に大勢の大人が集まらないで、日時をずらして少人数で実施することで一人一人の負担が減ります。
また、小さい子供を連れての参加はかえって危険なため、見守りではないボランティアをするなどです。
そして、通学路で危険な箇所の改善要求の仕方についても書かれています。
任意加入へのスイッチ
第六章はPTAの本来あるべき姿でもある任意加入へのシフトについて書かれています。
本当におかしな話ですが、現在の多くの学校では子供が小学校に入ると保護者会と称するPTA役員を決めています。
そもそも学校側が全員加入する前提で物事を勧めている強引さに釈然としない保護者は多いはずです。
本来のPTAとは任意団体なのに学校とセットになっているから、口の悪い言い方をすると、子どもを人質に取ってPTAに強引に加入させている見方となります。
学校とは子どもに勉学のほかに社会勉強をする場所です。
その最初の段階で学校が保護者の同意を得る事なくPTAの会員に仕立て上げるのはいかがなものでしょう?
これが今までまかり通っていたのは本当に非常識なことだと思います。
話は逸れましたが、ここでは岡山市立西小学校と北海道札幌市立札苗小学校のPTAの任意加入にしたケースが紹介されています。
この2つの学校でもPTAを任意加入にすることで、誰もPTAに加入せずに、今まで以上に役員選出が大変になってPTA活動が立ち行かなくなると思い込んでいた人が多かったようです。
しかし、実際に任意加入したところ、加入率は毎年90%以上となり、思ったほど加入しない保護者は少なかったのです。
任意加入の2つの学校の事例の次に法律からみたPTAについて書かれています。
ここでは首都大学東京准教授憲法学者の木村草太さんが違法PTAについて解説されています。
PTAに加入するかしないかは契約となり、現在多くの学校でやっている強制加入をして、PTA会費を徴収してうる行為は振り込め詐欺と一緒と解釈がされています。
また、PTAの加入をしなかった人に嫌がらせをしたり、「加入しないとこういった不利益になりますよ」と言うと恐喝や脅迫に当たると解釈をしています。
また、個人情報保護法により学校がPTAに子どもや保護者の名簿を渡す行為も違法となるわけです。
子どもの教育を預かる学校が違法行為を犯しているとかものすごい狂気に満ちていることだと思います。
このような違法PTAをなくすには本来あるべき姿のPTAは任意加入にすることで違法性がなくなるわけです。
書評 PTAをラクにたのしくする本 大塚玲子著のまとめ
今回は大塚玲子さんのPTAをラクにたのしくする本を書評しました。
本書はPTAにまつわる生の声をふんだんに集めていて、具体的なPTA改革方法を紹介しています。
今のPTA活動に疑問を持っていてどうすればいいかを知りたい場合は本書は大変参考になります。
PTAをけっこうラクにたのしくする本 大塚玲子著 Amazon.co.jp
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